AIで作った曲を音楽配信サービスに出したら、4日で6曲がSpotifyに並んだ【実録・収益はまだ0円】

AI作曲(Suno)と配信代行(DistroKid)で、着手から4日で最初の1曲がSpotify・Apple Musicで配信開始。合計6曲を流通させるまでの手順・費用・つまずきを、20代会社員のユウトが実録で公開します。収益は現時点で0円。AI音楽を受け付けない配信会社、無料プランで作った曲は商用不可、歌詞の検証ルールなど、契約前に知りたかった罠を7つまとめました。
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先に数字を言います。着手から4日で1曲目が配信開始。1週間で計6曲。収益は0円。
AIで作った曲を、SpotifyやApple Musicといった音楽配信サービスに実際に流通させました。「YouTubeにBGM動画として上げる」のではなく、曲そのものを世界の配信ストアに並べるルートです。
言っておくと、これは前回の続編です。ぼくは以前、AIでBGM動画を185本作ってYouTubeに投稿して、収益0円 という記録を書きました。1年かけて286ドルを持ち出して、返ってきたのはゼロ。同じAI音楽で、今回はルートだけを変えてみたというのが今回の実験です。
そして今回いちばん驚いたのは、作曲でも配信でもありませんでした。時間を食ったのは、規約を読む・申告する・形式を整えるという事務作業のほうだったんです。
正直に言うと、「AIで曲を作る」ところは拍子抜けするくらい簡単だったんだ。詰まったのは全部その手前と後ろ。契約していいのか、この曲は商用に使っていいのか、この歌詞のテキストはなぜ弾かれるのか。今日の主役はそっちだよ。
結論:作るのは簡単。詰まるのは「規約」「申告」「形式」
時間がない人向けに、要点だけ先に。
- AI作曲ツールと配信代行サービスを使って、着手から4日で1曲目が配信開始。その後数日で計6曲がSpotify・Apple Music・iTunesに並んだ
- 費用は作曲ツールの有料プラン+配信代行の年額(24.99ドルのプラン)で、月あたりならすとおおむね1,500円前後
- 収益は現時点で0円。配信が始まったばかりで再生数もこれから。「並んだ」だけで、まだ1円も動いていない
- 実作業で時間を食ったのは作曲ではなく、規約の確認・AI利用の申告・歌詞やジャケット画像の形式合わせという事務のほう
- 事前に知っておきたかった罠が 7つあった。特に「AI音楽を受け付けない配信会社がある」「無料プランで作った曲は後から有料に入っても商用不可」の2つは、契約してから気づくと詰みかねない
順番に書いていきます。
1. 4日で配信開始までの実際の流れ
まず、日付の記録です。
| 日 | やったこと |
|---|---|
| 1日目 | AIで作った曲を配信に出す方針を決定。配信代行会社を複数調べて、AIに関する規約を読み比べる |
| 2日目 | 配信代行サービスに登録(年24.99ドルのプラン)。アーティスト情報を登録し、1曲目を提出 |
| 3日目〜7日目 | 提出した曲が順次審査を通過し、計6曲がSpotify・Apple Music・iTunesで配信開始 |
やると決めてから最初の1曲が世に出るまで、4日でした。
これは正直「思っていたより速い」です。ぼくのイメージだと、音楽配信は審査に何週間もかかるものだと思っていました。実際には、提出画面で配信開始日を数週間先に設定するよう案内されることが多いので、日付を指定したいなら余裕を持って出すのが無難ではあります。ただ、通るときは通る、というのが今回の体感でした。
使ったツールは2つだけです。
- Suno(有料プラン) ── 作曲。歌もの・インストどちらも生成できる音楽生成AI
- DistroKid(Musicianプラン・年24.99ドル) ── 配信代行。個人が作った曲をSpotifyやApple Musicなどのストアに流通させてくれるサービス
配信代行というのは、ざっくり言うと**「個人とストアの間に立つ取次」**です。SpotifyやApple Musicは、個人から直接「この曲を置いてください」という申し込みを受け付けていません。そのため、こういうサービスを経由して曲を届けることになります。年額を払えば、あとは曲・ジャケット画像・情報を提出するだけ、という仕組みです。
なお、曲名やアーティスト名は伏せます。この記事の主役は手順と数字なので、そこは本題ではありません。
2. かかったお金と、いまの収益
お金の話も正直に。
- 作曲:Sunoの有料プラン(商用利用の権利が必要なので有料が前提)
- 配信:DistroKid Musicianプラン 年24.99ドル
- 合計:月あたりならすと、おおむね1,500円前後
- 追加費用:ジャケット画像・歌詞登録・ストア掲載に別料金はなし
- 収益:0円
配信代行は年払いなので、始めるときに一度まとまって出ていきます。とはいえ、AI副業の初期投資としてはかなり軽いほうです。前回のBGMチャンネルでは1年で286ドル(約4.3万円)を使い切りました。それに比べれば、今回は桁がひとつ違います。
そのうえで、いちばん大事な数字をもう一度。収益は0円です。
配信が始まって数日なので、再生数もこれから。というより、サブスクの分配は1回の再生あたりごくわずかなので、年額の24.99ドルを回収するだけでも、それなりの再生数が要ります。「4日で並んだ」は手順の話であって、稼げた話ではありません。ここは誇張したくないので先に潰しておきます。
「Spotifyで配信中」って書くと、なんかすごいことをした感じが出ちゃうんだよね。でも実態は、棚に商品を置かせてもらっただけ。前にスタンプで痛感したやつと、構造はまったく同じだよ。
3. ハマった罠7つ(この記事の本体)
ここからが本題です。やる前に知っていたら、半分の時間で終わっていたというポイントを7つ書きます。
罠①:AI音楽を受け付けない配信代行会社がある
いちばん最初に立ちはだかった壁がこれでした。
配信代行サービスは何社もありますが、AI生成の音楽に対するスタンスが会社ごとに違います。ぼくが調べた範囲では、大きく3タイプありました。
- AI素材を一切禁止しているところ
- 100パーセントAI生成はNG(人の手が入っていれば可、という線引き)のところ
- AIの利用を申告すれば受け付けるところ
ここを読まずに契約すると、年額を払ったあとで「そもそも出せない」ことになります。契約前に、そのサービスの利用規約とAIポリシーを読む。これが最初の作業でした。作曲より先です。
しかもこの手のポリシーは更新されます。ぼくが読んだ時点の内容が、半年後も同じとは限りません。始めるタイミングで自分の目で確認するのが確実です。
罠②:無料プランで作った曲は、あとから有料に入っても商用利用できない
これは知らないと本当に詰みます。
ぼくが使った作曲AIでは、商用利用の権利がつくのは「有料プランを契約している期間中に生成した曲」だけでした。つまり、無料プランで遊びながら作りためた曲が何十曲あっても、あとから有料プランに入り直したところで、それらは配信に回せないということです。
「とりあえず無料で試して、いい曲ができたら課金して出そう」という順番を考えていた人(過去のぼくです)は、ここで作戦変更になります。出す前提の曲は、有料契約に入ってから作る。
罠③:リミックス機能で作った曲は、有料プランでも非商用限定になる場合がある
罠②の続きです。有料プランで作れば全部OK、というわけでもありませんでした。
既存の曲をもとに作り直すリミックス系の機能を使って生成した曲は、有料プランで作っていても非商用に限定されるケースがあります。ぼくは実際、気に入っていた曲が「これは商用に使えない扱いになっている」と分かって、配信対象から外しました。
対策としては、曲ごとに「どの機能で作ったか」と「商用可否の表示」を確認してから配信リストに入れることです。ツール側の画面に表示が出るので、提出前に1曲ずつ見ておくと後戻りがありません。
罠④:配信代行の登録画面に「AI利用の申告欄」がある
配信代行の提出フローには、AIを使ったかどうかを申告する項目がありました。
ここは、正直に申告します。虚偽の申告はアカウント停止の理由になり得るからです。せっかく年額を払って登録したアカウントを、申告ひとつで失うのは割に合いません。
前にiPhoneアプリを出したときにも同じことを書きましたが(AIに任せたら、iPhoneアプリが1日で審査提出まで行けた話)、「申告」と「規約への同意」は、AIに代行させてはいけない人間側の仕事です。名義人が責任を持って押すボタン。ここを雑にやると、あとから全部が崩れます。
罠⑤:歌詞をAI任せにすると、日本語が事故る
ここからは制作側の実務の話です。
歌詞までAIに全部おまかせで生成すると、日本語の歌詞がローマ字読みのような発音で歌われることがあります。さらに笑えないのが、指示として書いたつもりの文が、そのまま歌詞として歌われてしまう事故です。「ここはサビっぽく」みたいなメモが、そのままメロディに乗って出てきます。
- 日本語の歌詞が、日本語として発音されずローマ字読みのようになる
- 指示・メモとして書いた文が、そのまま歌詞として歌われる
- 読み方が複数ある漢字が、意図と違う読みで歌われる
結論としては、歌詞は自分で用意するのが結局いちばん速いです。AIに叩き台を書かせるのは全然アリで、そのあと自分で全部読み返して直す。この一手間を惜しむと、生成→聴く→違う→生成し直し、のループで時間が溶けます。
罠⑥:歌詞をストアに登録するときの検証ルールが細かい
配信代行では、曲と一緒に歌詞テキストも登録できます(対応ストアで歌詞が表示されるようになります)。ここの入力チェックがなかなか厳しくて、貼り付けただけでは何度も弾かれました。
ぼくが実際にぶつかったルールはこのあたりです。
- 連(ブロック)と連の間には空行を入れる
- 「Verse」「Chorus」のようなセクション見出しは消す(歌詞ではないため)
- 行末の句読点は消す
- 英大文字だけで書かれた単語は弾かれる
要するに、作曲AIに渡すための書き方と、ストアに登録するための書き方は別物なんです。作曲用のテキストには見出しや指示が入っているので、そのまま流用するとまず通りません。ぼくは6曲ぶんを1曲ずつ手で整形しました。地味に、この記事の作業でいちばん時間を使ったのがここです。
罠⑦:難読漢字はひらがなに開く/ジャケット画像は3000×3000
最後に、細かいけれど効いた2つを。
ひとつは難読漢字・読み方が複数ある漢字は、歌詞側でひらがなに開いておくこと。AIは漢字の読みを文脈から推測するので、迷う余地のある字はそのまま事故になります。ひらがなにするだけで歌唱の失敗がはっきり減りました。歌詞の見た目より、まず音が正しく出ることを優先する、という割り切りです。
もうひとつはジャケット画像のサイズ。配信では3000×3000ピクセル程度の正方形が求められます。画像生成AIの標準出力そのままだと足りないことがあるので、書き出しサイズを先に確認しておくと提出直前に慌てずに済みます。
4. 前回との違い:「動画を上げる」から「曲を流通させる」へ
ここで、前回のBGM185本と比べておきます。
- 前回:AIで曲を作る → 60分の動画にする → YouTubeに投稿 → 広告収益の条件(登録者1,000人など)を満たせず0円
- 今回:AIで曲を作る → 配信代行に提出 → SpotifyやApple Musicに曲そのものを流通させる
前回の敗因は記事にも書いたとおり、収益が発生する地点までの距離が遠すぎたことでした。3.4万再生まで行っても、収益化ラインの手前で力尽きた。
今回のルートは、その距離の形が違います。配信の場合、収益化の門番になる「登録者◯人」のようなラインがありません。再生されればされたぶんだけ分配の対象になります。そのかわり、1再生あたりの分配がとても小さい。年額を回収するだけでもかなりの再生が要ります。
つまり、「門が開かない」問題が「単価が低い」問題に置き換わっただけとも言えます。どちらが有利かは、正直まだ分かりません。分かるのは数字が出てからです。
前は「壁の手前で0円」だった。今回は「壁はないけど、単価がすごく小さい」。景色は変わったけど、財布の中身はまだ変わってないよ。だから今日の記事に「稼げます」とは1文字も書けないんだ。
ひとつだけ、前回より確実に良くなった点があります。撤退コストが軽いことです。前回は動画化のパイプラインを組んで1年動かして4.3万円。今回は月1,500円前後で、やめたければ更新しないだけ。半年で5つ試した総まとめ にも書いたとおり、「作る」側に払うお金を下げておくと、判断を間違えたときの傷が浅い。今回はそこだけは設計どおりに動けました。
5. やってみて思ったこと:AIは「作る」を溶かして、事務を残した
一連の作業を振り返って、いちばん腹落ちしたのがこれです。
曲を作る時間より、規約を読んで、申告して、形式を整える時間のほうが長かった。
作曲そのものは、驚くほど簡単になっています。イメージを言葉で渡せば、数分で曲が返ってくる。「音楽が作れないから諦める」という理由は、もうほとんど成立しません。
そのかわり、残った仕事は全部、事務でした。
- AIがやってくれること ── 作曲、編曲、歌唱、歌詞の叩き台。ここはもう人間の出番がほとんどない
- 人間に残ること ── どの規約に従うかの確認、AI利用の申告、商用可否の判断、歌詞テキストの整形、画像サイズの調整、そして「これを世に出す」という決定
アプリを出したときとまったく同じ構図です。AIは「作る」を溶かすけれど、「責任を持って出す」部分は溶かさない。 むしろ作るのが速くなったぶん、事務の比率が上がって、そこがボトルネックとして目立つようになりました。
これから同じことをやる人へ、順番だけ提案しておきます。
- 配信代行の規約を先に読む(AIを受け付けるか。ここで合わなければ、そもそも作らない)
- 作曲ツールの有料プランに入ってから曲を作る(無料期間の曲は商用に回せない前提で)
- 歌詞は自分で確定させる(AIに書かせて、自分で読み返して直す)
- 提出用の素材を整える(歌詞テキストの整形、3000×3000のジャケット画像)
- 申告は正直に
作るのを1番目に置きたくなるんですが、1番目に置くべきは規約の確認でした。ここを最後に回すと、作った曲が出せない、という一番もったいない詰まり方をします。
ちなみに、ぼくが歌詞の叩き台づくりや、規約の要点整理をAIに頼むときの指示の出し方(プロンプト)は、noteに100個まとめてあります。今回みたいに「長い規約を読んで判断材料に落とす」場面で効いた型も入れてあるので、必要な人だけどうぞ。
6. よくある質問(FAQ)
Q. AIで作った曲を配信するのは、規約的に問題ないの?
A. 「どの配信代行を使うか」と「どの作曲ツールで、どのプランで作ったか」の2つで決まります。配信代行にはAI生成物を受け付けないところもあれば、申告すれば受け付けるところもあります。作曲ツール側にも、商用利用が認められる条件(有料プラン契約中の生成であること等)があります。両方を満たしているかを、作る前に確認するのが安全です。ぼくは今回、この確認を1日目の作業にしました。
Q. 4日で配信って早すぎない? 誰でもそうなるの?
A. たまたま早かった側だと思っています。配信代行の画面では、配信開始日を数週間先に設定するよう案内されることが多く、ストアごとの反映タイミングもばらつきます。リリース日を指定したい場合は、余裕を持って提出するほうが読み違えがありません。「4日で出ることもある」くらいに受け取ってもらえればちょうどいいです。
Q. 収益0円なのに、なぜ記事にするの?
A. 収益が出ていない段階の記録のほうが、これから始める人には役に立つと思っているからです。ぼくが今回いちばん困ったのは「AIで作った曲を出していいのか、どこでなら出せるのか」を調べる部分で、そこは稼げたかどうかと関係なく残せる情報です。数字は数字で、動いたら追記します。動かなければ、動かなかったことを書きます。それがこのブログのやり方です。
Q. 前回のBGM動画より、こっちのほうが有望ってこと?
A. まだ言えません。構造が違うだけです。YouTubeは収益化ラインという門があって、そこに届かず0円でした。配信は門がないかわりに1再生あたりの分配が小さい。どちらが良いかは、再生数が積み上がってみないと比較になりません。今言えるのは、撤退コストは今回のほうが軽い(月1,500円前後・やめるなら更新しないだけ)ということくらいです。
Q. 曲は何曲くらい出せばいいの?
A. ぼくもまだ答えを持っていません。ただ、前回のBGM185本で「量を増やせば成果が増える」が自分の数字で否定されているので、今回は本数で殴る作戦を最初から捨てました。6曲は「まず流通の仕組みを一周する」ための数です。本数を増やすかどうかは、この6曲がどう聴かれるかを見てから決めます。
Q. 音楽の知識がなくてもできる?
A. 作る部分は、知識がなくても形になります。ぼく自身、譜面は読めません。ただし今回わかったとおり、必要になるのは音楽の知識より、規約を読む根気と、形式を整える手間への耐性でした。「音楽が好き」より「細かい要件を潰すのが苦じゃない」ほうが効く場面が多かった、というのが正直な感想です。
- AI作曲ツールと配信代行を使って、着手から4日で1曲目が配信開始。計6曲がSpotify・Apple Music・iTunesに並んだ
- 費用は作曲ツールの有料プラン+配信代行の年額24.99ドルで、月あたりおおむね1,500円前後。収益は現時点で0円
- 詰まったのは作曲ではなく事務。規約の確認・AI利用の申告・歌詞やジャケットの形式合わせが作業の大半
- 事前に知りたかった罠は7つ。特に ①AI音楽を受け付けない配信会社がある ②無料プランで作った曲は後から有料に入っても商用不可 の2つは、契約前に確認しておきたい
- 歌詞はAIに叩き台を書かせて自分で確定させるのが結局速い。難読漢字はひらがなに開く。ジャケット画像は3000×3000ピクセル程度
- 前回のBGM185本は「収益化の門が遠くて0円」、今回は「門はないが単価が小さい」。構造が違うだけで、有望かどうかはこれから
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それでは、また次の記事で。「AIに代わりに働かせて、人生をハックする」——今回は、AIが曲を作ってくれたぶん、ぼくが規約を読む係になった話でした。数字が動いたら、また正直に書きます。
—— ユウト
※本記事は2026年8月2日時点での、ぼく個人の実体験に基づく記録です。成果には個人差があり、特定の手法や結果を保証するものではありません。音楽配信サービス・配信代行会社の規約やAIに関する取り扱い方針、各AIツールの料金プラン・商用利用の条件は変更される場合があります。契約や提出の前に、最新の内容を各公式サイトでご確認ください。
この記事を書いた人
ユウト
AIに代わりに働かせて自分の人生を取り戻す、をテーマに発信中。ChatGPT・Claude・Notion AI 活用で『ぼくが作業しない副業』を実装。

